猛暑だから!今から冬に向けて出来ること。後編


それではつづきです。 前編では ・東洋医学の治療や体質改善はぶっちゃけ時間がかかるから、先を見越して早めからはじめましょう。 ・秋冬を元気に過ごす為に、夏から体調管理する事が大事。 といった内容で終わりました。   それに対して、夏の暑さに適した漢方薬や薬膳を摂ったり、鍼灸治療で体調を整えるというのが、やはり良い選択ではありますが、自身で気を付けられる事として、ここでは紹介していきたいと思います。   ◎冬に向けて猛暑の時に気を付けること ヒトコトで言ってしまえば、体力を落とさないようにってことになります。体温調節機能、免疫機能含むです。 気を付ける点としては   ①暑い日中はできるだけ活動を控える。こまめにクールダウンする。 ②体に熱をためる食品を控える。 ③冷たい飲食でお腹を冷やし過ぎないように気を付ける。   となります。   ①については、当たり前すぎですね。すいません。(;^_^ スルーしていただいてもかまいません。 これは世間一般、熱中症の対策とかで散々言われている事なので皆さんもご存じだと思います。 実は東洋医学の養生の古典にも夏はそう過ごしましょうと書かれております。 要は、その当たり前ができてないならば、意識してしましょうって事ですね。 通常、体温が高い事は良い事なのですが、平熱を超える様な状態が続いたりそれが頻発すると、体温調節機能に狂いが生じたり、何より長いスパンで見ると体のエネルギーや水分を消耗してしまいますしね。   ②について、控えた方がよい食品としては ・味の濃いもの、辛いもの、油もの、甘いもの があります。これらは東洋医学では体に熱をためやすいとされています。 また、熱性の食品といって性質的に体を温める食品が有り、身近なものでは ・ニンニク、ネギ、ショウガ、唐辛子、酒 などがあります。 その他にも熱性の食品はたくさん有ります。こちらのサイトが面白くて参考になりますよ。 → TCMediCo (村上文崇先生)   これら食品を摂りすぎると熱が下がりにくい体質になってしまいます。注意しましょう。少なくとも夏の間は。冬はいいのですけどね。   そして③について。これは皆さん意外なのではないでしょうか。 ②で書いてるように、熱をためないようにするならば、冷やす事はいい事なのではないのか?と。 その通りです。しかし、それは適度にという事です。 飽くまで冷やしすぎないように。これが大切です。 特にお腹が冷えすぎると良くない点が二つ有ります。 ひとつは、お腹が冷えると胃腸の消化吸収する力が落ちますので、段々と体力が落ちてしまって疲れやすくなったり、免疫力が落ちて秋冬に風邪をひきやすくなります。また、お腹を中心に、体に水っけがたまりやすくなり、これも前編で紹介した伏暑の原因となりますので注意が必要です。 もうひとつは、体の陰陽のバランスが崩れる、お腹が冷え冷えな分、体の表面や頭や首といった体の上方が熱くなりやすい体になります。 体の中心が冷えると、熱が昇ってのぼせやすくなったり、すぐに暑くてバテてしまったり、体温調節がうまくいかなくなります。   少しややこしくなりましたし、言い方を変えてもう一度まとめ直します。   ・夏の間は無理をしない。疲れたり暑い時には可能なかぎり休む。 ・辛いものや味の濃いもの、熱のたまる食品は少し控える。 ・暑いからと言って冷たい飲み物ばかり飲むのは控える。   となります。 例えば、味の濃いオツマミでビールをガブガブ、、、。 この季節の楽しみですが、秋冬に向けての体調管理という点では、かなり良くない行為ってことになりますね。(;^_^ 秋冬で体調をくずしやすい方は、今年は例年よりもこれらについて気を付けてみてはいかがでしょうか。     ◎最後に 熱中症対策として、水分はしっかり摂りましょう! その上で、今回のブログを少し参考にしていただいて、飲む時は冷たいものをできるだけ控えるといいかもしれません。 行動や食品などで気を付けて、体に余計な熱がたまらないようにしてみましょう。 きっと秋からの体調が違ってきますよ。   と、こんなブログを書いてる私自身が、この時期、実は、 三ツ矢サイダーと明治のスーパーカップ がオトモダチです。(;^_^ 偉そうに言ってるのに、 「あんたがイチバン不摂生で自堕落や!」 と嫁様に怒られています。   私自身、自戒の意味を込めまして、このブログを書いた次第です。(;^_^ 私もこの夏は飲食や過ごし方について気を付けてみたいと思います。 これを読んでいただいた皆さんも秋冬を元気で過ごせますように。m(__)m

猛暑だから!今から冬に向けて出来ること。前編


暑い!! もう溶けそうに暑いですね。 院の窓を開けると吹き込む熱風、、、。 大音量のセミの声。 もう朝からして、白くて干上がりそうな強い陽射し。 カンテレのハチエモンも溶けるんじゃないか? 正に猛暑というのがふさわしい一日のスタートです。   猛暑ってことで、お題の事について書いていきますか。 「今が暑いんじゃ。何とかしてくれ!」とか 「何か熱中症を治すツボとか教えれ!」とか そんな声が聞こえてきそうではありますが、ツボにせよ薬膳にせよ、東洋医学を使った暑さ対策の知恵ってのは、たぶん検索したら色々出てくると思いますし、(リクエストがあればまた書きますよ) ここでは、敢えてこの夏の過ごし方次第で、冬になってからの体調が違ってくるよっていう事をお伝えしたいと思います。   ・毎年秋~冬にかけて、特に体調が悪い ・冬の間はずっと風邪ばかりひいている気がする その様な方は読むと役に立つかも?   夏真っ盛りなのに、今から冬に向けての話なんて、、、。 なんて事は言わずに、実はその内容こそが、中医学の面白みや神髄に触れるところですので、どうぞ最後までお付き合いください。m(__)m   ◎『冬病夏治』について 東洋医学のあまりにも有名な言葉に『冬病夏治』または『夏病冬治』があります。 「冬にかかる病は夏のうちから治療しましょう。」 「夏の間にかかる病は冬のうちから治療しましょう。」 という意味合いです。 上海の病院で実習していた頃、夏の暑い暑い時期におもしろい光景を見かけました。また、私自身も何日間かはその治療で大忙しだったのを覚えています。 それは「夏の期間限定!小児喘息灸治療」なるものです。 喘息は乾燥する秋や寒い冬にひどくなる事が多く、夏の間は小康な事が多いです。 にもかかわらずですよ。炎天下の最中、小児喘息の専用外来が設けられて、痩せて体の弱そうな子供とそのお母さんとが長い行列をつくって受診していました。 子供たちが20人くらいベッドでうつ伏せに寝ており、背中の喘息に効くツボに、片っ端から薬のお灸をしていきます。 なんと、秋冬に喘息が軽くすむように、夏のうちからせっせと治療をしていたのです。 これこそが中医学の『冬病夏治』を地でいっているのだと思いました。 秋冬の喘息を夏の間に治療するというのは『冬病夏治』の一番有名な例ではないでしょうか。 普通に日本で生活していて、冬の体調の為に夏のうちから気を付けてケアをするという発想はなかなか無いのでは?と思います。   ◎『温病学・伏暑』 について 中医学には「温病学」という学問がありまして、これは発熱を伴う疾患や感染症を専門に治療する為のロジックであります。 温病学について詳しく書いてると大変なので、興味がある人は Wikipedia先生に聞いてみましょう。 その温病学の中に「伏暑」という病があります。 「伏暑」は読んで字のごとくなのですが、体に埋伏していた暑邪(夏の熱気)が晩秋~冬にかけて体に悪さをして発熱する病です。 ウイルスや菌でもないのに、何だか潜伏期間みたいな感じですね。おもしろいですね。 潜伏期間にしても、そんな長い時間、体に熱気がこもって隠れてるのか?なんておかしく思いますよね。 当然、中医学ではその様に考えて薬を処方したり治療したりするとうまくいくのですが。   ◎『冬病夏治』『温病学・伏暑』の言わんとするところは 要は、 夏の間に不養生や不摂生をして体力を落としてしまうと、秋冬に病気にかかりやすくなりますよ。 という当たり前の事を戒めたり、 夏の間の過ごし方や養生の仕方が秋冬の体調や病気に大きく関わってきますよ。 という事を教えてくれているのだと思います。   また、これらは、東洋医学の治療にはある程度の時間や根気が必要な事も示唆しているように思います。 東洋医学の治療において、特に体質の改善や内的な疾患を根本的に治療しようとする時に、一回の治療でたちまち快癒するという事はほとんどありません。 それ故に、患者本人も治療者も、根気強く病に向き合ったり、先を見越して早めの治療を心掛けたりが必要なのだと、その事を教えてくれているのかなと思います。   冬に体調を崩さない為に、猛暑のうちに出来る事、気を付けられる事、 それらを後半で、少しばかり紹介したいと思います。   →後半へつづく      

息子よ、『小児スイナ』で元気に育て!


ボリュームが多いかなと思い二つに分けました。 で、つづきです。   小児はりにつづき『小児スイナ』もしました。 『小児スイナ』の紹介や説明はこちら   →『小児推拿について』   ◎ちょっと変わった小児推拿の世界 大人の経絡や経穴よりある意味おおざっぱ。 しかし、小児推拿独特の治療ポイントが沢山。   症状に応じて、これら部位を指で擦っていきます。   内臓の調子を整えたり、熱を冷ましたり、 小児スイナでは子供の手のひらや指先をよく使います。   これは「捏脊」(ネツセキorネンセキ)と言って有名な小児推拿手技。 背骨に沿って、背中の皮をつまみ上げていきます。 この「捏脊」、子供の消化不良や下痢といった胃腸の不調に メチャメチャ! 効果あります!   しかし、我が息子さんはいつもご飯をモリモリ食べてとっても食いしん坊。 まったく「捏脊」する必要はなかったですけどね。(;^_^   子供の夜泣き、ぐずり、食が細いとか、どれも心配だし、世話してたら参ってしまいますよね。 嫁様ほどではないにしても、半子育て半鍼灸師でやっている自分にも分かります。 お子さんのその様な症状でお困りの方はかささぎ針灸院へどうぞ。 スキンタッチといって、お家でできる小児はり、このブログの捏脊なんかは練習すれば割合すぐにできるようになるので、家でもできるようにレクチャーもします。 って、最後はちょっと宣伝です。すいません。(;^_^   小児はりでムスコはゴキゲン! この暑さでヨメはフキゲン!!   院長の大嶋でした~。 また気が向いたら何か書きます。これからもよろしくお願いします。m(__)m

息子よ、『小児はり』で元気に育て!


、、、なんて見出しですが、特に小児はりや小児スイナをしなくたってとっても元気な我が息子。 連休最後の日に、外に出たがる息子のゴキゲンとり兼HP用の写真を撮りに院につれて来ましたよ。 小児はりの紹介や詳しい説明はこちらから   →『小児鍼について』   ◎道具の紹介 右)銅製・いちょう鍼 三味線のバチみたいですね。丸い所でやさしく擦ります。尖った所で軽くチクチクします。色々使えてオールマイティで便利な鍼。 中)ローラー鍼 軽く持ってコロコロ転がします。大人が受けても気持ちいい。 左)チタン製・特注てい鍼 先が尖っていますが、これも刺さない鍼です。ツボを刺激したりこすったり。鍼が苦手な大人にも使います。少し技術が要ります。   さて、ここからは息子に小児はりをした様子を写真で紹介。 先ずはローラー鍼。 鎖骨の下、肋骨の際、ヘソ周り等がスイートスポットです。多少くすぐったがりますが喜びます。   いちょう鍼。 見えてないですけどチタンてい鍼。 首すじや肩、背中と、つまり大人でも凝ってつらい場所、揉んでもらいたくなる場所を擦ったりチクチクしてやります。 赤ちゃんだって頑張ってるし、たまには癒されたいんですよ。   最後はやっぱりローラー鍼。息子さんはローラー鍼が一番気に入ったみたいです。 赤ちゃんも気持ちいい。術者も楽ちん。 WIN WIN ってやつですね。   息子よ、小児スイナで元気に育て!  へつづく